なるほドリとは鳥なのか

なるほドリ:通訳人ってどんな人? /京都

 ◇刑事裁判の「橋渡し役」 発言を日本語、外国語に

 なるほドリ 外国の人が逮捕、起訴されているニュースを時々見るよ。日本語が分からない人はどうやって裁判を受けるのかな?
 記者 裁判所法には、裁判所では日本語を使うことが定められており、日本語が分からない人も通訳人を付けてきちんと裁判が受けられるようになっています。刑事裁判では、通訳人は被告の発言を日本語に通訳し、裁判官、検察官、弁護人の発言を外国語に通訳する「橋渡し役」をしています。
 Q 通訳人はどんな人がなるの? 裁判所の職員かな?
 A いえ、職員ではありません。最高裁が法廷通訳人の候補者名簿をまとめており、通訳が必要になった場合、地裁などが名簿を参考にして選びます。通訳人は大学教授や自営業など、いろいろな職業の人がいます。希望者は各地裁で裁判官の面接を受け、適性が認められれば刑事手続きなどを説明された後、名簿に登録されます。
 Q 通訳人はどれぐらい活躍しているの?
 A 09年に全国の裁判所で判決を受けた被告6万5875人の事件のうち、4138人に通訳人が付きました。16事件に1事件の割合ですね。京都地裁では被告が有罪となった事件での通訳人利用数は06年の26件から少しずつ増加し、09年には36件ありました。今年は1月から8月末までで、中国語やポルトガル語などの利用者が23件。9月に行われた殺人事件の裁判員裁判では、中国籍の被告に通訳人が付きました。
 Q 通訳を間違えることはないのかな?
 A これまでの裁判員裁判では、誤訳が認められたケースはないようです。6月に大阪高裁で開かれた覚せい剤取締法違反事件の控訴審では、英語を話す被告に対する1審の通訳について、弁護側は「誤訳が多く、事実誤認がある」と主張しましたが、大阪高裁は「判決に影響する誤訳はない」として実刑を言い渡した1審判決を支持し、弁護側の控訴を棄却しました。従来の裁判では証拠を書面でやりとりをすることが多かったのですが、裁判員裁判では口頭で証拠を説明することが多くなりました。そのため、通訳人は事前に準備した翻訳を読み上げるのではなく、その場で通訳をする機会が多くなりました。
 Q 通訳人の責任は重いってことだね。
 A 大阪弁護士会は、裁判員裁判では法廷通訳を2人以上配置するよう大阪地裁に要望書を出しました。被告の不利益にならないよう、誤訳を防止し、チェックする機能が必要ですね。<回答・古屋敷尚子>
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