捜査での通訳ミス認定 大阪地裁 取り調べの録画で判明
2009年1月28日0時29分
http://www.asahi.com/national/update/0127/OSK200901270056.html
大阪地裁は27日、傷害致死などの罪に問われた韓国人被告に対する有罪判決のなかで、捜査段階の通訳ミスを認定した。取り調べの様子を録画したDVDで わかった。被告の暴行について、長井秀典裁判長は「被害者の髪を両手で引っ張った程度にとどまる」と判断。被告の供述調書では「揺さぶった」ことになって いたが、判決は「通訳が不正確だったため、被告の真意ではない表現になった」と述べた。
判決によると、無職の金美延(キム・ミヨン)被告(33)=大阪市中央区=は昨年4月22日朝、同市生野区を走行中のタクシーの車内で友人の女性 (当時31)と口論になり、髪の毛を引っ張りあった。その際、女性の首の血管が切れ、2日後に外傷性くも膜下出血で死なせた。判決は、女性は被告の暴行で 死亡したと判断し、懲役3年執行猶予5年(求刑懲役6年)を言い渡した。
公判で証拠採用されたDVDには、検察官が「揺さぶったのか」と尋ねたのに、通訳人が「揺さぶられたのか」と訳し、被告が「はい」と答える様子が記録されていた。(宮崎園子)
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誤訳や,文法ミスは「常に」起こっている.通訳人の集中力の問題もあり,100%の精密訳は不可能だ.それでも,文脈で理解したり,聞き直したりできる.実際にユーザーの「聞き直し」が発生するのは,上記のような微妙な表現のときが多い.
DVDということは,録音だけでなく,映像もあるんでしょうね.こういった記録をもって,通訳のダブルチェック体制の構築も一考すべきだろう.同時に通訳人の,日本語と通訳言語のレベルのバランスの把握も,ユーザーの間で必須だろう.
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