外国人の被告に通訳を付ける全国初の裁判員裁判が8日、さいたま地裁(大谷吉史裁判長)で始まる。弁護士によると、被告は起訴内容を認める方針。刑の重さが争点になるが、専門家は「通訳が微妙なニュアンスをどう翻訳するか。裁判員の心証に影響する可能性がある」と指摘している。
審理されるのは、2件の強盗傷害罪に問われた埼玉県戸田市のフィリピン国籍の男(20)。起訴状によると、男は19歳だった昨年12月、他の少年2人と共謀し、さいたま市内の路上などで通行中の男性に暴行を加えて重軽傷を負わせ、現金計約3万7000円やパソコンなどを奪ったとされる。
さいたま地検によると、被告は日常会話程度の日本語はできるが、公判にはタガログ語の通訳が2人付く。金城学院大の水野真木子教授(通訳論)は「同じ謝罪の言葉でも『許してください』と『申し訳ありません』では、反省の深さの伝わり方が異なる。裁判の信頼性にかかわるので、慎重に通訳すべきだ」と指摘。外国人による傷害事件の模擬裁判では、事件のきっかけとなった被害者の侮辱的な言葉の訳し方で、裁判員の被告に対する同情の度合いに違いが出たという。
公判は4日間で、8日午前に裁判員の選任手続きがあり、午後1時半に開廷する。9日の証人尋問、10日の論告・弁論などを経て結審、11日午後に判決言い渡しの予定。通訳を介したやり取りに時間がかかるため、地裁は審理日程に余裕を持たせた。【飼手勇介】
毎日新聞 2009年9月7日 20時30分
http://mainichi.jp/select/jiken/saibanin/news/20090908k0000m040058000c.html
審理されるのは、2件の強盗傷害罪に問われた埼玉県戸田市のフィリピン国籍の男(20)。起訴状によると、男は19歳だった昨年12月、他の少年2人と共謀し、さいたま市内の路上などで通行中の男性に暴行を加えて重軽傷を負わせ、現金計約3万7000円やパソコンなどを奪ったとされる。
さいたま地検によると、被告は日常会話程度の日本語はできるが、公判にはタガログ語の通訳が2人付く。金城学院大の水野真木子教授(通訳論)は「同じ謝罪の言葉でも『許してください』と『申し訳ありません』では、反省の深さの伝わり方が異なる。裁判の信頼性にかかわるので、慎重に通訳すべきだ」と指摘。外国人による傷害事件の模擬裁判では、事件のきっかけとなった被害者の侮辱的な言葉の訳し方で、裁判員の被告に対する同情の度合いに違いが出たという。
公判は4日間で、8日午前に裁判員の選任手続きがあり、午後1時半に開廷する。9日の証人尋問、10日の論告・弁論などを経て結審、11日午後に判決言い渡しの予定。通訳を介したやり取りに時間がかかるため、地裁は審理日程に余裕を持たせた。【飼手勇介】
毎日新聞 2009年9月7日 20時30分
http://mainichi.jp/select/jiken/saibanin/news/20090908k0000m040058000c.html
コメント