国際結婚 仲立ち検討 羽生市

【埼玉】
国際結婚　仲立ち検討　羽生市　比国の姉妹都市と連携　まずメール交換から
2009年9月24日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20090924/CK2009092402000100.html

フィリピンの国会議員とともに記念撮影に臨む河田市長（右）＝フィリピンで（羽生市提供）


　羽生市が姉妹提携都市のフィリピン・バギオ市と、結婚相手を紹介し合う事業を検討している。少子化の解決に取り組む河田晃明市長肝いりの発案で、市内の未婚者の解消に結び付けたい考えだが効果は果たして－。　（池田宏之）

　羽生市の十四歳以下の子どもは、ピーク時の一九八五年から約三千五百人減の約七千四百人。二〇〇七年から、少子化対策と人口定着のため、「結婚仲介」に力を入れている。年一回程度のお見合いパーティーのほか、計十八人の結婚相談員が仲介にあたる。

　結婚の実績は二年間で十四組。「目標は年間十～二十組」（市社会福祉課）のネックになっているのは、結婚に関心を持つ男性と女性の“ミスマッチ”だ。現在市に結婚希望者として登録しているのは、男性六十二人に対し、女性は十八人。パーティーも男性の姿が目立ち、同課は「社会進出した女性の結婚意欲が低下しているのでは」と分析する。

　低調な実績に、河田市長が考えたのが、姉妹提携が今年で四十周年を迎えるバギオ市との連携。八月末にバギオ市制百周年記念式典で、現地を訪れた河田市長が、元バギオ市長のフィリピンの国会議員に切り出すと、国会議員は「前向きに考えたい」と返答したという。九月の記者会見で、市長が明かした。

　国際結婚では、文化や言語の問題がついて回る。だが市長は「フィリピンの公用語は英語。バギオ市には戦前日本人町があり、日本への好感度も高い。行政の仲介で、身元保証にもなる」と自信をのぞかせ、まずメールのやりとりからはじめ、気に入れば実際に会う事業を想定。条件が整えば、来年度予算に調査費などを盛り込みたい考えだ。

　ただ市民の賛否は分かれる。孫が六人いる主婦（６６）は「国際化も進んだ時代なので外国人と結婚するのもいいと思う」とする一方、未婚の男性会社員（３３）は「先に仕事を安定させてもらった方が嫁さんはもらいやすい」と、景気対策の充実がまず先と訴える。