フィリピン、インドネシアから受け入れ

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shizuoka/news/20100209-OYT8T01220.htm

看護師候補の施設ゼロ 新年度 介護福祉士候補は4施設

介護福祉士を目指して研修を受けるフィリピン人(2009年11月12日、浜松市中区で)
日本との経済連携協定(EPA)に基づくフィリピン、インドネシアからの看護師候補者を新規に受け入れる病院が、2010年度は県内で1か所もな いことが9日、わかった。やはり今年度から始まった両国からの介護福祉士の候補者の新規受け入れも4施設にとどまる。いずれの候補者も、日本に3~4年滞 在する間にそれぞれの国家試験に合格しなければならず、本人にとっても施設側にも日本語の習得・教育の負担が大きいことから、受け入れに二の足を踏む施設 が多いとみられる。
外国人の看護師や介護福祉士の候補者を受け入れるには、施設側からあっせん団体の国際厚生事業団に申し込む必要がある。09年末にフィリピン分、今月5日にインドネシア分がそれぞれ締め切られた。
受け入れ事業を支援する県病院協会(静岡市葵区追手町)は昨秋、候補者の受け入れ希望調査を行い、数か所の病院から前向きな反応があった。だが、 結果として10年度の看護師候補者の受け入れ希望病院が県内でゼロだったことについて、同協会は「日本語の学習をサポートする体制づくりが難しいことや、 受け入れ費用が病院の負担になることから、敬遠された」と分析。「どの病院でも看護師不足。外国人教育に割ける人手の余裕がない。特に中小病院は難しい」 としている。
県内では今年度から、看護師候補者としてフィリピンからの6人を3病院が受け入れた。介護福祉士の候補者としてはフィリピンから12人、インドネ シアから2人が計6施設に入り、各施設で働きながら学んでいる。だが、日本の国家試験に合格できないと帰国しなければならない不安定な身分ゆえのストレス も大きいという。
同協会や県は、日本語教育のための冊子を作成したり講師を派遣したりしているほか、外国人受け入れマニュアルも作るなどの支援を行っている。10 年度は看護師、介護福祉士候補とも、受け入れ施設への国の補助金が出る見通しだが、国家試験合格に結びつくかどうかは未知数。「両国の看護師や介護福祉士 は、他の国で活躍している実績がある。日本での合格者が極めて少なければ、国同士の関係にも影響するのでは」と懸念する関係者もいる。
2010年2月10日  読売新聞)

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